昨年2021年10月に、第6次エネルギー基本計画(詳細と概要)が閣議決定されました。このエネルギー基本計画は、「エネルギー政策基本法」に沿って、日本のエネルギーの需給に関する施策を長期的に推進するため、エネルギー政策の指針や計画をまとめたもので、3~4年に1度政府より発表されます。第6次基本計画は、2020年10月に表明された(1)「2050年カーボンニュートラル(CN)」と、2021年4月に表明された(2)「2030年度の温室効果ガス排出46%削減(2013年度比)、さらに50%削減の高みを目指す」という野心的な削減目標の実現に向けた、エネルギー政策の道筋を示すこと、の2つがメインテーマとなっています。(1)と(2)両方に対し、必要なはずの原発の新増設およびリプレース(replace, 建て替え)が言及されていません(現施設の再稼働のみ)。
また、今年1月18日に開かれた、クリーンエネルギー戦略に関する有識者懇談会で、政府は、6月にも策定する脱炭素社会の実現に向けた「クリーンエネルギー戦略」において、またもや国内原発の新増設やリプレース(建て替え)の明記を見送る方針を固めました。
いずれも、懸念が根強く残る世論を気にしての結果と思われます。本音ではCNも追い風に新増設やりたくて仕方がないが、参院選が気になっておいそれと持ち出すことができないのが実情でしょう。国家戦略のかけらも見えません。
本シリーズでは、前編の本稿に続き計3回にわたって原発が無理ゲーな理由について、中編で筆者自身が「どうすべきと考えているのか」(タイトルの7つの理由は本編で記述)、後編で「今後、未来はどうなるであろうか」、という未来予想を、瀬戸内寂聴 堀江貴文著「生とは、死とは」で取り上げられている「特別編 原子力発電をめぐって」での対談を交えて述べます。瀬戸内氏は、堀江氏と他のテーマでも数多く行われた対談の中でも、唯一同氏と意見が合わなかったと後に語っている。対談全体も非常に面白いので、興味の出た方はぜひ、本を入手してください。
Markus DistelrathによるPixabayからの画像
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