原発が無理ゲーな7つの理由【後編】

生活全般

原発は今後どうなっていくのか

今後、日本の原発がどうなっていくのかについては、次の二つの質問で簡単に予想することができます:

Q1:「あなたは、原発がなくなることで、電気料金が上がって経済的に苦しくなったり、停電が頻発したりするのは嫌ですか?」

Q2:「嫌なら、あなたの住む自治体に原発を建てる必要があります。いいですよね?」

Q1について、多くの日本人は、「嫌だ」と答えるでしょう。しかし、Q2で「いいです」、と答える人は居ないわけではないですが、ごく少数派であって、各自治体で多数派を占めることはこの先、少なくとも福島第一原発が廃炉が完了した後も、何十年かは無理でしょう。福島第一原発の廃炉完了が果たして計画通り2051年に終わるのかさえ怪しいですし、実際さまざまな遅れが報告されています。一方、ほかの自治体に建てるならOKですと、みんな言うでしょう。でもみんなが言うわけですから、結局どこにも建てられないという矛盾が生じます。

これを解きほぐすことができないのは、中編でも述べた、議論をまとめられる人が日本にはいないからです。政治家のせいにしてはいけません。政治家は国民のレベルを反映する鏡にすぎないからです。

先日もビルゲイツが起業した米テラパワーと、日本原子力研究開発機構と三菱重工業が次世代ナトリウム冷却高速炉の技術協力の覚書を結んだとの報道がありました。政府が、プルサーマルを諦めていない姿勢を国内に示すため、との思惑とも言われていますが、原発は考えて何とかなる問題ではありません。原発が無いことによる不便は被りたくないけど、自分の家の隣には原発建ててほしくない、廃棄物棄ててほしくないという卑しいエゴの問題です。どれだけ技術開発や、他国との協力など、策を並べ立てたとしても、この問題を解決できなければ、すべては水泡に帰すだけです。役所が得意な単に「やってます感」を醸し出して問題を先送りするだけのお遊戯にしか過ぎないでしょう。

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