愛知県知事 解職請求で思うこと

生活全般
こんな人に読んで欲しい

不正で逮捕された人々以外の代表者がやってきたことについて違和感が残り、何が問題だったのか、整理したい方。

経過

あいちトリエンナーレ2019の「表現の不自由展」をめぐり、公金支出を問題とした名古屋市長・河村たかしと、高須クリニック院長・高須克弥が、政治団体「おやめください大村秀章愛知県知事 愛知県100万人リコールの会」を設立。設立記者会見には、百田尚樹、有本香、竹田恒泰、武田邦彦らも出席し、リコールの意義を訴えた。

下記に今回問題と考える重要な経過を抜粋する。

  1. 2020年8月25日リコール署名活動開始。
  2. 2020年11月4日署名提出期限
  3. 2020年11月7日愛知県選挙管理委員会、43万5231人分の署名が提出されたと明らかにする。
  4. 2021年2月1日愛知県選挙管理委員会、提出された43万5231人分の署名の83.2%にあたる約36万2千人分が無効との調査結果を発表

ここで、地方自治体のリコール制度について振り返っておきたい。都道府県知事・市町村長の解職請求は、選挙権のあるもの(有権者)の3分の1以上(有権者総数が40万人を超えるときは、40万を超える数の6分の1と40万の3分の1を合計した数以上、80万を超えるときは、80万を超える数の8分の1と40万を超える数の6分の1と40万の3分の1を合計した数以上)の署名を集めて選挙管理委員会に請求できる(地方自治法第81条第1項)。

愛知県の場合、それが約86.6万人である。愛知県の有権者数は約549.8万人。実に全有権者の15.8%の賛成署名を集めないといけない計算になる。

その事業を進めるために十分な体制だったのか

86.6万筆の署名を集める。これはなかなかの大事業である。

大事業であるから、かなり周到な準備と、必要な人工の確保、入念なチェック体制が欠かせない。

ところが、今回の責任者である代表者たちの様子をみていると、そうしたことがなされている形跡はみられない。

  • 結局、有効とされた残り16.8%、7.3万人の賛成数しか確保できなかったが、これは必要数の8.4%に満たない。この数に留まったのは、すなわち賛同がこの数に留まったことを意味する。上で計算したように、これでは愛知県民全員の家を訪ね歩いても、必要数には至らない計算だ。ここで分かるのは、全戸を訪ね歩くわけには到底いかないから、実際には圧倒的に賛成率が高くなければ、必要数を確保することはできない。ざっくり、50%だとして、180万人と接触したうち、半分から賛成署名をやっともらえればギリギリ必要数に届く計算である。こうした計算は絶対やっているはずだが、だれがどう無理を押し切って、リコールが成功すると踏んだのか。それともまさか見積りなく見切り発車したのか。自分たちの主張がどう世論に受け止められているのかを誰がどう点検したのか。代表者たちの発言から、それらを加味してリコールに踏み切った様子は見られない:準備不足
  • なぜ途中まで署名数が足りないことに気づかなかったのか:チェック不足、人工不足
  • なぜ途中で実物をチェックしなかったのか:チェック不足
  • なぜ必要数に届いていないことが提出日に分からなかったのか:チェックの段取り不足
  • なぜ必要数に届かないのに提出したのか:(おそらく)署名数を数える人工不足
  • 請求代表者ら(特に河村たかし、高須克弥両名)は実際署名簿を見たのか:当事者意識の欠如
  • 実際署名簿を見ずに、不正署名を疑う指摘に対して抗議などできるのか:現地現物の欠如

これらを書き連ねてみると、代表者が、スタッフのチェックと、実物を現地現物で確認するという、責任者として不可欠な基本中の基本を疎かにしたために、不正を許した側面があるとの指摘も免れない。実際やっていた、というなら、それをマスコミにしっかり説明するべきではないか。

号令をかけて動くふりはしても、スタッフが実際動いてくれなければ、成果は空虚になる。チェックが効いていない現場で手抜きと嘘の報告が横行すれば、責任者は裸の王様になる。それでは大きなことは成し遂げられないのだ。

誰々が、有りもしないことをTwitterで呟いたと言っては、抗議し、知事の発言が品位にかけるとっては、公開質問状を送り、見たこともない署名簿が盗まれたといっては、警察に告発したり。地に足を付けず、表面的なことばっかりやっているから、こんなことになるのではないか。

仮に愛知県知事がいかに不適格であったとしても、その不適格性をただす側の適格性のほうがより著しく欠如していたと言わざるを得ない。つまりそういうことである。

慰安婦少女像や天皇の写真を焼却の展示に公金を使ったことの是非は、愛知県民が次の愛知県知事選挙で判断すればよい。その仕組みを待たずに自分のあり得ない空想を、あたかも簡単に世の中が支持してくれると思った勘違いのなせる業だ。

決して、「あいつがダメだったんだ」という他人ごとではなく、自分も何かの拍子に起こしうることを肝に銘じたい。

不正の責任は、今後裁判で明らかになるとして、このような事態を招き、民主主義の権利の一つであるリコール制度に泥を塗った責任は重い。

ではどうすれば防げたのか

本当に達成したいと思うなら、高須自身が、街頭に立って、署名をお願いするべきである。実際にお願いしてみたら、自分の主張がどれだけの人から賛同が得られているか、身をもって分かるだろう。単なるポーズや、パフォーマンスとしてではなく、割合の感触が得られる一定数を地道に、である。

これは絶対やっていないとみる。なぜなら、本当に県民が辞めてほしいと思っているなら、署名活動は燎原の火のように、あらゆる団体が立ち上がって、見る見るうちに署名数が立ち上がるはずだが、そんな動きは見られない。その中で、いくら知名度の高い人が街頭に立ったからと言って、割合が高まるほど、世間は甘くない。

仮にやってみて5割以上の賛同が得られる感触が得られたのなら、180万人に当たれる体制を私財をなげうつなり、クラファンでも用意すればいい。

思ったより支持率低いのであれば、世の中へ理解してもらい、支持を集めるための行動が先だ。

また、不正があったのでリコール失敗した、というなら、体制を立て直してやり直すべきであるが、その動きは見られない。

ちょっと上手くいかなかったから、やめます、というくらいなら、初めからやるなよ、って言いたい。自分が思う、愛知県をこの人に本当に任せていられないと思うなら、持病が、、って言ってる場合じゃない。

まるで子供がおもちゃに飽きて投げ出したかのようだ。政治はてめえのおもちゃ、じゃない。

政治を個人のおもちゃにされないように、今後はどうすればいいのか。総務省でも今後のリコール制度の有り方について検討がなされるとのことだが、自分なりに以下のように考えてみた。

現状の制度だと、主張が世論とどんなにかけ離れていても請求が通ってしまう。ここに、不正が誘発される素地ができてしまっていることになる。

これを防ぐためには、賛同率の確認を、解職請求ができる条件にしたらいいのではないか。

すなわち

  • 初期点検として、請求前に、ある一定数以上の有権者の賛成署名と反対署名の両方を代表者が用意する。
  • その賛成率から割り出される、必要署名を一定期間内に確保するための人工を用意できたエビデンスを選挙管理委員会がチェックする。
  • その賛成率と、目標賛成数に到達する条件を満たせて初めて、リコール請求が受理される。

こうすれば、大失敗に至るリコール請求がそもそも代表者自身によって、ブレーキがかかる仕組みだ。

第1段階の、ある一定数以上の署名数は、一人では到底集められない数にしておく必要がある。複数人による街頭署名により、現実が分かれば、たとえ誰か一人が強行を主張しても、反対者が多数を占める可能性が高いからだ。

しかも、初期点検時に登録した代表者は、本請求時に離脱してはならないというルールも設けておく。そうすることで、現実との乖離が著しい請求を自浄作用によって回避できるようになる。

請求する側にとって、むやみに実行できなくなるが、支持率がそもそも高ければ、成功の確率自体もあがるし、世の中への事前アピールにもなると考える

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