臓器提供意思表示カードの携帯について

生活全般

Apple computerを創業したSteve Jobsの名言に次のような一言がある。

Remembering that you are going to die is the best way I know to avoid the trap of thinking you have something to lose. You are already naked. There is no reason not to follow your heart.

branyquote

日本語訳

自分がいつか死ぬという避けようのない事実を悟ることができれば、実は失うものはなど何もないことに気づくことができる。誰もが裸なんだ。それならば、心の声に従わざるを得ないだろう。

Photo by AB on Unsplash

筆者風に言い換えれば、死んだら、現世に持っているものは有形無形に関わらず、何も墓場に持っていくことはできない。お金もそうだし、死ぬまで自らの命のよりどころだった、肉体までもだ。だから一日一日、いや、一日どころではなく刹那を悔いのないように精一杯生きよう。生命を燃焼し尽くそう、だ。

死生観によるので人によっては違って当然だが、燃焼し尽くした自分の死後の肉体は、生きている人に生かしてほしい。始まりがあるものには必ず終わりがあるように受けた生はいつかお返ししなければならない。これが肉体の所有者である筆者の今の考えだ。

しかし、死ぬ時と死に方は選べないのが、世の常である。財産については遺言書があるので、時間をかけて譲渡されればよいが、肉体が生かされるには即時性が必要なため、筆者は臓器移植意思表示カードを携帯している。

きっかけは、2018年に受けた鼻腔を広げる手術である。全身麻酔で意識不明になることもあると説明を受けた後、万が一の時のために、財布に忍ばせておいて以来持ち続けている。

現在国内で臓器移植を待っている人は約14,000人。そのうち移植を受けられる人は、今はまだ、わずか2%

日本臓器移植ネットワークHP

だそうだ。

最近は、専用のカードだけでなく、運転免許証、マイナンバーカードにも書く欄が用意されているが、筆者のように、免許証はクルマにおいてあり、マイナンバーカードはまだ持ち歩くメリットがない、健康保険証は古くて書く欄が用意されていないなど、必ずしもついでに携帯できるない場合も多い。その場合に申し込めば、送付してくれるのが意思表示カードだ。

表裏面は、下図のようになっており、書いた後にカバーのフィルムでカバーでき、比較的長く綺麗な状態を保つことができる。

左:表、右:裏面(記入欄)

特記欄には、

  • 1. か2. に○をした方で、皮膚、心臓弁、血管、骨などの組織も提供してもいい方は、「すべて」あるいは「皮膚」「心臓弁」「血管」「骨」などと記入できます。
  • 親族優先提供の意思を表示したい方は、次をお読みいただいた上で、「親族優先」と記入できます。

詳しくはこちらへ。

一番の下は家族署名の欄がある。これは移植するとなった時に家族の理解を得られるように、「 可能であれば、この意思表示欄に記入していることを知っている家族が、そのことの確認のために署名してください。」との記述がある。

ちなみに筆者は運転免許証にも、持ち歩かないマイナンバーカードにも記入しているが、マイナンバーカードの意思表示欄は、字が小さすぎると個人的には思う。高齢者は虫眼鏡でも読むのが難しいのではないか。申し訳程度に用意した感が少し残念に思う。

筆者の意思表示カード。手術日(2018.12.6)の約10日前に記入した

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