2022年7月の時事通信社の記事で、ドイツにおいて、ロシアとの対立によるガス供給懸念から、政府がシャワーの温度を下げ、時間を5分以内にするというキャンペーンが出されたというニュースがありました。このようなことは戦乱を除いても今後も散発的に発生することが予想されますので、危機が来る前から対応しておけば慌てることは無いと思われます。
以前の記事でプロパンガスが都市ガスよりも格段に高い場合が多い理由について述べました。プロパンガスでも良心的な料金のガス会社に乗り換える方法はあるものの、筆者のように賃貸などで簡単には切り替えられない人もいます。また最近は原料高によりさらに料金が跳ね上がり家計を圧迫しつつある年の瀬に、筆者が半年に渡って試みた節約方法を紹介します。
サービスエリアや、漫画喫茶などでワンコインで何分か決まった時間だけ浴びられるシャワーを使ったことがある方もいるかと思います。時間が決まっているので、全身を隈なく洗おうとがぜん効率が上がった経験もおありではないでしょうか。
筆者の提案は、タイマーを持ち込むことによって、自分で時間に上限をかけてしまう方法です。これを「セルフコインシャワー」と名付けました。自宅だから好きなだけ入れるため、1回あたりどれくらいの時間かを決めて入らない人が大半だと思います。
筆者は写真で示すタイムキーパーを使って、3分で設定し、残り時間を気にしながら、洗い上げるように時間割りを工夫しています。初め5分でやっていましたが、やっているうちに慣れてきて、時短ができました。筆者は3分が限界です。3分前の3秒前から、ピッピッピィーと鳴りますが、洗い足りなければ何分伸ばそうが自由です。大事なのは目安を知ることです。これだけで格段の節約効果があります。
節約とはいっても、快適さを失っては長続きできないので、長く浴びたい方は、10分、20分でも構わないと思います。要は、いままで時間を気にせず浴びていたところに上限をかけてやるだけです。それだけで必ず節約にもなりますし、料金が高くない都市ガス、電気料金でも効果はあり、限られたエネルギーの無駄遣いを防ぐ省エネや、カーボンニュートラルの観点でも意味あるアクションです。
以下に我が家のガス料金データを示します。前年同月との比較ができるように20年7月からのデータです。
7月は気温も高く、湯沸かし器が温める必要のある温度差が小さいため、▲0.6m3、▲363円でしたが、20年のデータでは寒くなるにつれて、体積も料金も上がっていったのにたいして、21年8月以降はほぼ横ばいで推移しています。ただ、12月だけは気温が低くなったために設定温度を37℃から39℃まで上げた影響でガスの消費体積がそれまでの月より若干上昇していますが、それ以上に消費量が増えた前年同月との差分は ▲2.5m3、▲1508円まで拡大しています。
また、長期のデータを蓄積している筆者は、12か月平均も算出しています。これによると、セルフコインシャワーを半年実行して得た月当たりの平均低減効果は558円になっています。これは前節で述べた気候による低減効果を均す効果がありますので、年間に拡張すると月平均1100円が見込まれそうです。これから寒い季節が続くこと考えるともう少し伸びると嬉しいなと思っています。
読者の中には、冬くらい温かいシャワーを誰彼に遠慮することなく浴びたいとか、そんなところでケチケチしたくない、という方もいらっしゃるでしょう。家計の中での優先度付けには賛成です。筆者にとっては、これは何ら我慢している感覚なく、楽しく省エネもできて、財布にも優しいいい方法だと心から思って実行していますが、食費については、我慢するのが嫌で我慢は一切していません。
世のYouTubeやブログであまり取り上げられておらず、自分がやってみて効果が確認でき、かつ続けられるアイテムとしてご紹介しました。ただ、筆者としてはあまり「切り詰めている」感や、悲壮感はなく、省エネだし財布にも優しいしいいなぁと淡々とやっている感じです。肩をいからせて血眼になってやるものでは長続きしないので、どうやって固定費を削減するかは好み次第で取り組むのがよいと思います。
最後に半年にわたって得られた二酸化炭素排出の削減量を計算してみました。
20年7月~12月 14.8m3 換算係数 1/0.502 (kg/m3) ×3.0 (CO2 kg/kg) = 88.4 kg/半年
21年7月~12月 7.7m3 換算係数 1/0.502 (kg/m3) ×3.0 (CO2 kg/kg) = 46.0 kg/半年
▲42.4 kg/半年
となりました。年間で100kg近くなるなら、なんだかうれしいですね。
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