経済的自由を得るには、財布から出ていく金を最小化し、入る金を最大化し、手元にある金を増殖させるに尽きます。この三つの中で最も簡単ですぐに効果がでるのが、「出ていく金を減らす」中でも固定費の削減です。今回は固定費削減シリーズの1回目、電力料金の削減法を紹介。
電気料金を減らす方法として、2016年4月全面自由化により新電力も選択肢に入り、さまざまなサイトで比較紹介されていますが、今年21年1月に発生した電力のひっ迫により新電力供給会社のいくつかが事業停止や、新規加入の一時停止に追い込まれるなど、ライフライン供給者としての責任を果たせない事態が発生しています。また電力のひっ迫により引き起こされた電力仕入れ価格高騰により、新電力ユーザに月当たり数十万円という高額な電力料金の請求が発生する事例がでたりと、本末転倒な状況も発生しています。
電力は生活に不可欠なエネルギーの一つであるため、著者は単に料金だけで新電力に移行することは考えなおすべきと考えています。本稿では大手電力会社を使いながら、従来からある契約容量を下げる方法※と、顧客の新電力への流出を防ぎ、繋ぎ止めるために実施している様々な施策を活用することで、照明をこまめに消すとか、省エネ家電導入などの初期投資なしに年間平均で10%以上の料金を節約できる方法を紹介。
※最低料金制を採用している、関西電力、中国電力、四国電力、沖縄電力はこの方法は使えません。最低料金とは、基本料金の部分が「最低料金」となっており、一定の電気の使用量分が含まれている料金体系です。
目次
さて皆さんの電気利用明細をチェック
契約容量が数字によって基本料金が変わるパラメータです。赤枠で囲ったところが、契約容量とそれで決まる基本料金です。
契約容量ごとに下記のように料金が決まっています。近年、新電力への流出をあの手この手で引き留めようと、様々なプランが提案されており、例えばfor APとはアマゾンプライム(AP)の会費込み(差額375円)で基本料金が設定されているものです。現在APは年払いで4900円(月あたり408円)、月払いで500円(年6000円)ですから、APを絶対契約する、という人にはお得なプランとなっています。
何Aに設定するか?
著者の契約は入居当初から40Aのままとなっていましたが、一人ではいくら何でも多すぎです。減らすにあたってのターゲットは20Aか30A。ひと声エアコンが6A、電子レンジが13Aですから、この二つだけで20Aにあと少ししかありませんが、ここはチャレンジしました。
実際20Aに変更後、今冬の寒い朝にエアコン暖房をつけ、テレビつけながら、電子レンジを使ったらブレーカが落ちました。エアコンは運転開始直後が特に電流が上昇するとのことです。今のブレーカは賢くて、30秒くらいで自動的に復帰します。その時感じたのは、電気の有難さです。一瞬は不便であるものの、エネルギー源は有限でかけがえのない資源であることをたまには思い出すために、容量を上げることはやめました。それ以降はエアコン、電子レンジを使うときはテレビは消しておくなど意識的に同時に使う製品を減らすなどして、再びブレーカが落ちることはなかったです。体感としては2、3人なら30A、4人以上なら40A、オール電化なら60Aといった具合でしょうか。変更は電話一本でできますので、皆さんの家族構成、電気の使い方によって最適な容量をご検討ください。
WEBサービス活用法(カテエネ:中部電力ミライズ)
カテエネとは、中部電力の、電力供給・販売子会社である中部電力ミライズが家庭向けに展開するWEBサービスです。東京電力では『くらしTEPCO』、関西電力では『はぴeみる電』など大手電力会社それぞれに展開されているようです。全部は列挙しませんが、大手は横並び意識が強いので、ほぼ同じメリットのあるサービスが提供されているものとしてカテエネで話を進めます。
カテエネでは、料金200円あたり1ポイント(P)もらえ(還元率0.5%)、さらに利用明細を電子化することで、下記のように初期200Pと、毎月使用実績を確認するごとに50Pもらえます。
また、下記のようにポンタや、JALマイレージ、三井住友Vポイント、Tポイントから移行することもできます。私は、楽天経済圏をメインに、PayPay経済圏をサブに生活していますが、ホットペッパービューティーとかローソンをたまに使うと知らないうちに300Pくらい貯まっていることがあります。
このメインでも、サブでもないポイントのことをここではクズポイントと呼ぶことにします。自分がメイン及びサブとして使っていないがゆえに、付与されるポイント規模が小さすぎて使いづらいものがある場合に、電気料金への充当はちょうどいい消却方法なのです。それが私の場合はポンタです。
Auユーザでポンタがメインの一つになっている場合、ファミマやPayPayモールで貯まったTポイントを電気料金の足しにするのも一つのやり方でしょう。
まとめ
著者の従来の平均の月料金4000円に対し、契約容量ダウンと毎月付与されるカテエネポイント計642円を引くと平均料金が定常的に3358円(▲16.1%)、年間7700円減らせる計算になります。ポイント移行で他のポイントから持ってくればさらに節約が可能です。
これらの節約は照明をこまめに消すとか、高価な省エネ家電を買うなどの手間や経費をかけずにほとんどほったらかしでやれるのがうれしい点です。お住まいの地区での料金節約を検討されてはいかがでしょうか。
※アイキャッチはOpenClipart-VectorsによるPixabayからの画像
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